やっちゃった話
やっちゃった話です。でも事後なのでもう完了しています。
いやー、やっぱこれくらい生きてるとやっちゃうよね。日々の、うっかり〜みたいなよくある話はさておき、「っやっちまったーーッっ!!!ガッデム!!!」みたいなことも、やはり定期的に起こりますね。
さて、こないだの土曜ね、両親が様々なものを届けてくれるために、一人暮らしの我が家に来たわけです。扇風機とか。クローゼットは服だけでパンパンなので、季節ものは実家に置いてて、まぁ置いてるだけなら無害なんですけど、季節が来るとお願いして持ってきてもらったりしているのです。ほんとすんません。
んで、じゃあ帰るかーとなり、ええそうです、ご想像の通り、帰りは帰りで手ぶらではなくて、代わりにストーブとか持って帰ってもらうわけです。ほんとすんません。
荷物が多くなったので、見送りがてら、私も両手に荷物を抱えてワーッと部屋出て、下に降りていきました。
ちなみに、我が家はよくあるオートロックマンションです。マンションの玄関口に鍵穴付きのインターホンがあるタイプ。
もしかして、私のやらかし…ピンと来ちゃいました…?
違います。
(たぶん)
鍵忘れて出ちゃったとか?んでマンションに入れなくなっちゃったとか?と思ったのであれば、
違います。。
事態はもーちょい複雑。
まずね、鍵は持ちました。鍵かけて出ました。
まぁそのまま話を進めますと、
雨の中だけど荷物を無事車に積んで、今日はありがとねーじゃーねーって手を振って。
さて部屋に帰ろう〜と、マンションの玄関の鍵を開けてエレベーター乗って、部屋の鍵開けました。
開けたんですが
ドア引いたら、
ガキーーーン!!!
ってなって、開かなかった。
いや、正確に言うと、数センチだけ開いて、何かが引っかかってそれ以上動かなくなりました。
何かって、それね、チェーン。
チェーンがかかってました。
はじめ、なにが起こったのかわからず、
(あれ…?ドアってどうやってあけるんだっけ…?)
とぼんやり立ち尽くしてたのですが、
いやこれ普通ならないやつ!!コナンか金田一でしか見ないやつ!!!と我に返りました。
なんかね、思い返すと、ドア閉めたとき、なんかいつもは聞こえない「カチャンっ!」みたいな音した気がする。思えばあの瞬間に完全犯罪が成立してた気がする。うちのチェーン、チェーンというかU字のバーみたいなやつで、寝かせるか起こすかでチェーンかけるかどうかになる。それが、半端に起きた状態で勢いよくドアがしまって、反動でチェーンが起き切ってしまい、完全犯罪成立…という感じだと思う。
まぁ、いいんだよトリックの解説は。。
それより問題は、どうやって開けるかだよ…!!
手持ちの私の武器、キーケースのみ。
心細い。。
RPGゲームの主人公序盤並みの心細さ…と思ったけど、よく考えたらそれ以下だわ。。
主人公は一応武器持ってるし。私武器以下だよ。鍵。変質者に襲われたとき人差し指と中指の間に握り込んでメリケンサックみたいにしてパンチするくらいしか武器にならないよ…ちなみにこれで相手の骨を折ることも可能らしいです。(突然豆知識)
しかも、かろうじて服はパジャマとかじゃなかったけど、髪ボサボサのまま、顔はすっぴん、足元に至っては、スニーカーを履こうとしてた日でソックス履いてたんだけど、荷物運び出すときはスニーカー履くのめんどくてその辺にあったペタンコ靴。完全にソックスに履かないタイプの靴。変。
とりあえず武器以下のキーケースで、ドアの扉の隙間からなんとか出来ないかチャレンジ。でも、鎖状のチェーンと違って、バータイプはドアを閉めきらないと動かない。
ドア1ミリくらいだけ開けて頑張ろうとしても、ドアの厚みが3センチだとすると、結局閉じ切った状態からは3.1センチ開けてることになり、どんなに細い隙間にしても無理ということが明らかになった。さすが防犯〜〜!!!
どうすれば…と思うが、ケータイないの致命的に痛いね。ケータイさえあればなんとでもなる自信ある。けど、ケータイは室内である。
きっとポケットある服ならポケットに入れて出たと思う。でもその日はポケットも無く、そしてマンションの下までだし、どこにでもちょっとでもケータイ意地でも持ち歩くのってなんか依存症みたいでやだなぁ〜〜という気持ちもあり、置いてったケータイ。
あ〜〜もう私のバカバカー!!
さてどうする。
答えは一つでした。
最上階を自宅として住んでる大家さんを訪ねました。ほんとは「今から伺っても良いでしょうか?」とか連絡入れたいけど、ほら、ケータイないし。突撃アポ。
ちなみに大家さんは、定年退職はしてるであろうお年で、よくお花の手入れ中とかエレベーターとかですれ違っていて、顔見知りになっている優しいおじさんです。
大家さん「あらっどうしたの」
私「えっと…かくかくしかじかで…電話を貸していただけないでしょうか…」
大家さん「えっ!そんなことが!!電話はいいけど、どこにかけんの!」
そこ聞かれるとね〜痛いよね。ほんとはググりたいよね。「ドアチェーン 閉まった 開かない」とかでさ。
私「サービスセンターにとりあえず聞いてみようと思います…」
大家さん「番号分かるの!?」
私「エレベーターホールに貼ってあるはずなので…」
大家さん「じゃあ私も一緒に行くから行こう」
大家さん優しい〜自分のマンションのコールセンターの存在知らなかったぽいけど優しい〜〜
とりあえず、大家さんが仲間になった!テレーン!こころづよい!!
さて、サービスセンターに電話してみた
サービスセンターのお姉さん「はい、〇〇サービスセンター、▲▲がお受けいたします」(定型的な声色)
私「かくかくしかじかで…」
お姉さん「はい…はい…
(チェーンが内側からかかってしまったみたいで…のあたりから)え!?はい!!はい!!えっと…えぇ…えぇっと…確認しますのでお待ちくださいね!?確認しますからっ!!」途中から驚きの感情むき出しの声になってました。
お姉さん「ところで、身分を証明するものはなにかお待ちですか?」
私「鍵だけ持って身一つで出てきたのでなにもありません…が、となりに大家さんがいます…(恥)」
なんかとりあえずいろいろ確認して折り返すってことで一回切る。
暇なので、大家さんと再び現場検証してみる。
が、やはり当然無理。
大家さん「やっぱりダメだね〜でも当たり前だけど開いたら意味ないもんね!防犯にちゃんとなってんだ〜〜」
大家さん、それ私もさっき思った。一回やった〜チェーンの防犯効果学んだ〜〜
二人で、そうだよね〜ウフフってなったあと、
大家さん「電話待つ間どうする、うちくる?」
私「すみません…」
お金もなければ居場所もないし、ていうか電話のそばにいないと意味ないし。。
てことで、今までも中がどうなっているのか興味があった大家さんのおうちに上がらせてもらった。
客間みたいなとこで、優しい奥様が「どうぞゆっくりしてって〜〜」ってなんかめちゃめちゃ良い香りする紅茶と中村屋のお菓子出してくれた。ありがたさと恥ずかしさの間。客じゃないのに…!
奥様「私出かけますけど、気にせずいつまでもいて良いですから〜♪」
やっぱりお金持ちって寛大だなぁ〜〜と心から感心した。(ありがたがるポイントそこじゃない。)
いつ電話が来るかも分からないまま、ケータイも無しに待ち続けるのつらいなーと思っていたんだけど、大家さんが電話とともに現れてテーブルに着いた。どちらともなく世間話が始まる。
昔このへんにあったお店の話とか、そこにいた人の人柄とか、道路拡幅した当時の話とか、
あ〜なんか今わたし、フィールドワークしている。
大家さんならではの大変さや日頃気をつけていることなどもお聞きすることができました。
「本当にいろんな人がいるしね〜」とのこと。
ちなみに、長い大家業歴で、「チェーンが内側から勝手にかかってしまい家の中に入れなくなった」という住人は初めてだそうです。だよね。
大家さん「〇〇さん(私)は何年くらいになるっけ?」
私「もうすぐここにお世話になって丸8年になりますね〜〜」
大家さん「えぇっ!そんななるっけ!」
私「いや想定ではもう少し早く引っ越しになるかな〜とか思ってたんですけど…なんか…気づいたらこんななってて…笑」
何かを察した大家さん「いや〜もういつまででもいていいよ〜アッハッハ!笑」
嬉しいけど、避けたい事態。切実に。
たぶん30分くらい?そんな感じで話していたら、電話が鳴った。
どうやら、あと一時間もしないうちに鍵屋さんが到着するらしい。
なるほど〜鍵屋さんか!
サービスセンターの人に、「やってみてからになるので金額は確定できないのですが、開けるだけで7千円はかかるようなので…ご自身の御負担になります。ご容赦ください」と申し訳なさそうに言われました。
7千円…全然出す!!!!
いや、なんかこのやり取りの前に、大家さんが知り合いの業者さん(いろいろ修理とかしてる人っぽい)に電話掛けてみてくれたら、「チェーン切るしかないんじゃないか」って話だったのね。夕方とりあえず道具持って行くよみたいな。
私も正直、バータイプのチェーンはどうすれば開くのか想像もつかなくて、そうだよな切るしかないのかも…と思っていたのです。んで、「チェーン切って新たにつけたらいくらかかるんだろう?」と地味に不安になってまして。
まぁ万は余裕でいくよなーきっと。何万だろう。みたいな。
からの、7千円!だったので、なんかもう、破格〜!!気軽〜〜!!みたいな感動すらあってね。もう出す出す!ってなりました。よく考えたら安くもない。けど、まぁこんなもんなんだと思う。
そして。30分くらいして、(大家さんの家の)チャイムが鳴りました。来た!
大家さんと二人で現場へと向かう。
若いお兄さん一人立ってて、「これですね?じゃあやりますね」って淡々と、ドア開けて確認したあと、なんか特殊な道具を取り出して、ドアの隙間から片側をドアに磁石で貼り付けて、もう片方?がフック状になってるのをチェーンに引っ掛けたかと思うと、バタン!と勢いよくドアを閉めました。
んでドア開けて「開きました」
早っ!!
手品!?って感じだった。
わぁぁ良かった〜〜……
ドアが開くというそれだけのことを深く噛み締める。いやぁ幸せって当たり前の日常の中にあるんだなぁ。
ドアやチェーンの建てつけをチェックする業者さん
いや…完全に私のせいだから…チェーンのせいじゃないから…
「チェーンがちょっと固くなったりしてて閉じちゃったのかな?」とチェーンのせいにしてくれようとする優しい大家さん
たまらず「いや、たぶん私の開け方と閉め方のせいですよね?100%…」と言うと、
業者さん「えっとまぁ…そうですね」
だよねっ!
でもとにかく開いたー嬉しい〜〜部屋に入れる〜〜
その後も、業者さんは丹念にドアやチェーンを調べてくれてました。おかげでチェーンはスムーズに動くようになりました。ドアの閉まりもゆっくりになって、バタンっ!ってならないようにしてくれました。
こういうケースってよくあるんですかって聞いたら、「中からお子さんがかけてしまったりとかは結構よくありますね〜〜」とのこと。なるほど、一人暮らしでかかっちゃうケースはあんまりないってことですね…!
「まぁでも、中の窓が開いてたりとかすると、ドアが吸い込まれて勢いよく閉じちゃったりするんで、今回みたいに反動でかかっちゃったりすることもありますね」
ナイスフォローっ!
部屋入ってみたら確かに私もベランダの窓開いてた。なるほど〜
まぁでも、決定打は中途半端なチェーンの角度のまま開け閉めしたことですね。
気をつけよっ!
チェーン切るしかないとか業者さんが夕方になら行けるとか言ってたときは、四時間くらい大家さんの家に滞在するのか?手ぶらで?みたいな絶望感や、
午後の習い事行けないな〜受講料無駄になる上欠席の連絡すらできないな〜
ていうか夜の飲み会相手に伝えるすべがないな〜ごめん
みたいな虚無感などに襲われて、しかし本当にどうしようもないので、比較的早期に諦めの境地に達してました。悩む選択肢がない。笑
「習い事先に掛けたいので電話貸してください」くらいは言えたかもしれないけど、番号覚えてなくて、「習い事の電話番号ググるためにケータイ貸してください。あと電話もしていいですか」とはさすがに…私も言えなかった…笑
結果的には、トントンと作業が進んだので、夜の飲み会どころか習い事にも間に合ったのでした。すごい!!素晴らしい!!
習い事で先生にこの話したら、「上に大家さんが住んでいたから良いけど、住んでないマンションの方が多いよね。その場合どうすればいいんだろうね?」って話になって、
「わたしなら近くのコンビニ行くかなぁ、」って言ったら先生が「そうね、あとは交番とかかな」って言ってて、
あ、交番良いかも。って思った。
コンビニも電話は貸してくれそうだけど、オーナーさんとか店員さんによりそうだよね。貸す義務はないというか。
あと、近所のコンビニだと、後日客として行くの恥ずかしくなりそう…「チェーンの人」とかってあだ名つきそうだし。。
ただ、交番って意外とピンと来ないよね。私も比較的近所なのに、思いつかなかった。調べるとわりーと歩いて行ける距離にちゃんとあるんだけど。
ま、そんな感じで事なきを得たのでした!
今でも、開くと信じて疑わず勢いよくドアを引いたときの「ガキーーーン」という引っかかり方が感触として手に残っていて、しばらくはドア開けるの恐怖症になりそうです。。
毎回、開いた〜(ホッ)ってなる。
ちなみに大家さんにはとらやの羊羹買って持って行きました。自分にも買おうか悩んだけど、こんな嗜好品食べる権利ないな今の自分と思って我慢しました。笑
次なにか頑張ったときに買います、とらや。
以上です。長文!